聞き取れなくて誤解を受ける
40代の頃、会社の友人4人で久しぶりランチに行った。
四角いテーブルで、会話していると、ふいに皆の会話についていけなくなった。
声は聞こえるけど、言葉が聞き取れない。
「皆、何を話しているの?」心の中で呟いていた。
会話が理解できなくて反応もできない。
1人だけ取り残されているような気持ちになって、この場から去りたい。
そう思う気持ちを抑えるのに必死だった。
どのくらいの間か、ずっと黙っていた私のことを変に思われたかもしれない。
話題が変わって、ついていけたりいけなかったりしたが、
会話に集中して聞き取らなければいけない。
何も考えずにご飯を食べながら、自然に耳に会話が入ってきて理解する
ことが難しくなっていた。
その時に「ああ、こうやって、人との会話が段々わからなくなって
いくんだろうか」と感じた。
聞き返すことが多くなるのだが、見た目は分からないので、
その時の相手の反応は様々。
・もう一度、ちゃんと言い返してくれる人
・ん?という感じで、繰り返してくれない人(理解できないの?という時もある)
前者の人は事情を知らなくても、ちゃんとそうしてくれるので本当に有難い。
後者の人の度合いにもよるが、傷つくこともある。
こういうところで、その人の人柄が垣間見えてしまうこともある。
それから仕方がないのに、声の小さい人、活舌の悪い人、かすれた声、早口の人…
話しかけられても聞こえない・・その人がどんなに良い人でも避けてしまう。
そういう物差しで人を測らなければいけない自分が情けない。